????️病気になって初めて知った「制度のありがたさ」 ──申請で支えられた私の体験記

病気の治療を続けていくうえで、医療費や通院の負担は大きな悩みになります。
私も、手術や抗がん剤治療が続く中で、経済的にも精神的にも限界を感じた時期がありました。
そんな時、支えになったのが「医療制度」や「公的支援」でした。
今回は、私が実際に利用した制度と、その中で感じたことをお伝えします。


????病気になって初めて知った「制度の壁」

初めて入院することになったとき、私は「治療費のこと」を深く考えたことがありませんでした。
ところが、入院の手続きでまず必要と言われたのが「保証金」と「健康保険の限度額認定証」でした。

保証金は数万円単位で、想像していたよりも大きな金額。
さらに、限度額認定証がないと、入院費をいったん全額自己負担で支払い、
後から払い戻しを受ける形になると説明を受けました。

そのとき初めて、
「病気の治療は、体だけでなく“制度”の知識も必要なんだ」と実感しました。

私の場合は、病院の事務スタッフの方が詳しく説明してくれ、
市役所に申請に行って数日後に証明書を受け取りました。
しかし、体調が悪い中での手続きは大変で、当時は右も左もわからず不安だらけでした。

こうした制度は、知っていれば助かるものばかりですが、
病気になってから初めて知る人が多いのが現実です。
あのとき、もし誰も教えてくれなかったら――と思うと、
「正しい情報が届くことの大切さ」を痛感しました。


????私が利用した主な制度

治療を続けるなかで、私が実際に利用して大きな助けになったのが
「限度額認定証」「難病医療費助成制度」 の2つです。
どちらも申請の手間はありますが、知っているかどうかで負担がまったく違ってきます。

????1. 限度額認定証(高額療養費制度)

初めての入院のときに必要だったのが、この「限度額認定証」です。
健康保険証だけでは、入院費や手術費を一時的に全額自己負担し、
あとから払い戻してもらう必要があります。
しかし、限度額認定証を提出しておけば、窓口での支払いが自己負担限度額までで済む仕組みです。

手術や抗がん剤治療のように高額になりやすい治療でも、
この証を持っていれば1回の支払いは10万円以内に抑えられます。
現在では、マイナンバーカードに保険証を登録していれば自動で適用されるため、
申請の手間も減り、より使いやすくなりました。

????2. 難病医療費助成制度

私が発症した重症筋無力症は、指定難病に含まれています。
この制度を利用することで、入院だけでなく、
難病に関する通院治療や薬の費用も助成対象になります。

医療費の自己負担割合が軽減されるほか、
長期の治療でも経済的な不安を減らすことができます。
手続きは自治体ごとに異なりますが、申請時には主治医の診断書が必要です。
私の場合は、病院の医療相談室(ソーシャルワーカー)の方が書類の書き方や窓口を丁寧に教えてくれました。

長期治療では「医療を続けられる環境をつくる」ことも大切です。
この助成制度は、そのための大きな支えになっています。


????手続きの流れと注意点

制度は知っているだけで安心ですが、実際に申請してみると、
意外と時間がかかり、わかりづらい部分も多いと感じました。

????限度額認定証

私は協会けんぽの公式サイトから申請書をダウンロードし、郵送で提出しました。
申請から証書が届くまで約2〜3週間かかり、入院に間に合うか不安になった経験があります。
早めの申請をおすすめします。
現在は、マイナンバーカードに保険証を登録していればこの証が不要になり、
病院窓口で自動的に適用されるようになりました。

????難病医療費助成

都道府県によって手続きが異なり、私は神奈川県で申請しました。
県の公式サイトから申請書をダウンロードし、
世帯情報・マイナンバーカード・医師の診断書を添えて郵送。
診断書は都道府県指定の特別な様式があるため、必ず公式HPを確認することが大切です。

この助成は毎年更新が必要で、発行まで1〜2か月かかります。
書類の不足があるとさらに延びるので、提出前のチェックは入念に行いましょう。


????制度を使うことは「頼る」ことではなく「整える」こと

最初の頃は、正直「制度をたくさん使うのは面倒だ」と思っていました。
でも、実際に治療を始めると、“いくらかかるかわからない”という不安が想像以上に大きいことに気づきました。
その不安を少しでも減らすことで、治療に集中できるようになります。

制度を使うことは、誰かに頼ることではなく、
自分の体と暮らしを整えるための手段だと思います。
医療費を抑える仕組みを整えておけば、
「お金の心配」ではなく「回復」にエネルギーを注ぐことができます。

病気とともに生きるには、医療そのものと同じくらい、
「安心して治療を続けられる環境を整えること」が大切です。
制度を使うことは、そのための第一歩です。


 

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