
入院や通院が続くと、体だけでなく心にも負担がかかります。
私自身、抗がん剤治療や手術を経験する中で、
「どうすれば少しでも楽に過ごせるか」を常に考えてきました。
この記事では、患者としての体験と、鍼灸師としての視点の両方から、
入院・通院を“整える時間”に変えるための工夫を紹介します。
????入院・通院のたびに感じたこと
病院に行く前の日は、いつも少し緊張します。
治療の準備を整えて、「しっかり受けよう」と気持ちを引き締めてはいるものの、
数日間自分のベッドで眠れないと思うと、やはり心のどこかに不安が残ります。
通院の行き帰りでも、体への負担をできるだけ減らすように心がけていました。
病院まで距離があるため、荷物は最小限にまとめ、
キャリーバッグを使って移動。できるだけエレベーターを利用し、
“頑張りすぎない”ように意識していました。
入院中は、治療が始まる前や、治療の合間に一人になる時間が多く、
孤独を感じることもありました。
看護師さんたちは常に忙しく、どうしても患者より人手が少ない時間があります。
そんなときは、ナースステーションに声をかけたり、
家族や友人に連絡を取ることで気持ちを落ち着けていました。
やはり、いつもと違う環境にいるときこそ、人との関わりが大切だと感じます。
通院や入院は、体の治療だけでなく、
心を整える時間でもある――そう思うようになりました。
????あると便利だったもの・工夫したこと
入院や通院を少しでも快適にするためには、
「自分が動きやすく、安心できる環境を整えること」が大切です。
ここでは、私が実際に持っていって役立ったものや、気持ちを整える工夫を紹介します。
????持っていて便利なもの
病室では延長コードや、複数の充電ケーブルを挿せる充電ステーションがあるととても便利です。
ベッド周りのコンセントは限られていることが多く、
医療機器や照明と重なることもあります。
これらがあるとスマホやタブレット、イヤホンなどを同時に充電できて安心です。
また、ポケットWi-Fiなどを使用する場合は、
病院の規約を必ず確認しましょう。
最近ではWi-Fiを完備している病院も増えているので、
事前に確認しておくと無駄な荷物を減らせます。
????気持ちを整える方法
入院中は、想像以上に“ひとりの時間”が多いものです。
そんなときは本を読むことをおすすめします。
家にいるよりも静かで集中できる環境なので、
読書が気分転換にもなり、気持ちが落ち着きます。
また、「書くことで整理できるタイプ」の人は、
ノートや日記をつけるのも良い方法です。
小さな記録でも、振り返ると“がんばっている自分”を感じられ、
前向きな気持ちを保ちやすくなります。
????通院時の準備と工夫
通院の際は動きやすい服装が基本です。
荷物が多くなりがちなので、手持ちは最小限にして、
キャリーバッグやリュックを活用すると移動が楽になります。
また、体調を見分けるサインにも注意が必要です。
移動中にスマホを長時間見ると疲れやすくなるため、
外の景色を眺めながら「自分の体の状態」に意識を向けてみましょう。
少しでも辛いと感じたら、無理をせず途中で休憩することが大切です。
????鍼灸師として気づいた「整える工夫」
入院中はどうしても、ベッドで過ごす時間が長くなりがちです。
テレビを見たり、スマートフォンを操作したりしていると、
一日があっという間に過ぎてしまうこともあります。
しかし、人の体は動かさないとどんどん筋力が低下していくものです。
同じ姿勢を長時間続けると、血流が悪くなり、
腰痛や肩こり、むくみなどの原因にもつながります。
そうした不調を防ぐために、私が意識していたのは
「少しでも体を動かす時間をつくる」ことです。
たとえば、食後に軽く廊下を歩く。
立ち上がって深呼吸をする。
ほんの数分でも体を動かすだけで、血の巡りが整い、
気分も前向きになります。
鍼灸師としての経験から見ても、
体を「完全に休ませる」と「適度に動かす」のバランスはとても重要です。
体を動かすことは、筋力維持だけでなく、
気の流れを促し、回復を早めるための“整える工夫”でもあります。
????無理をしない“続けられる工夫”
抗がん剤治療や手術のあとは、どうしても体力が落ち、
思うように動けない日が続くことがあります。
それでも、「動けるうちは動くことをやめない」という意識を持つようにしていました。
もちろん、休むこともとても大切です。
しかし入院中は運動量が極端に減り、筋力が落ちやすくなります。
ほんの少し歩くだけでも、体の巡りや呼吸の深さが変わってきます。
通院のときも、体調が許す範囲で“自分から動く”ことを意識していました。
それは、ただのリハビリではなく、
「自分はまだ動ける」「回復している」という実感を持つための時間でもあります。
そして、どんな日も心の中で「これは絶対に良くなる」と言い聞かせていました。
その気持ちは、「この病気を治す」という前向きな姿勢につながり、
やがて日常生活へ戻るための目標を支える力にもなっていました。
無理をしすぎず、でも止まりすぎない。
その小さな積み重ねが、“続けられる整え方”だと思います。

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